第3部
神々の遺志


−後編−
魂の偉大さ



ここまでのあらすじ

地界でのアヌビスとの戦いに勝利したソアラ。
平和な時を過ごしていたはずが、夫である百鬼と気持ちのズレが生じてしまう。
そんな時に天界の竜神帝から届いた報せは、彼女の心をさらにかき乱すものだった。
アヌビスは倒れていない。
さらに棕櫚たちの故郷である黄泉に潜伏していると思われる。
ソアラは黄泉へ向かうことを決心した。
それはアヌビスを追うためであり、自分のルーツを知るためでもある。
一方のアヌビスは黄泉で暗躍。
八柱神たる戦力を結集し、冥府を天界へぶつけるという荒技に出る。
冥府を押し戻すには、二人の神が手を取り合わなければならない。
古き過ちから自らの力を封じた、竜神帝こと光の神ジェイローグ。
かつてジェイローグを愛しながら、恨みの炎を燃やす黒麒麟こと闇の女神レイノラ。
両者の深き溝が埋め合わされるまでの紆余曲折。
多くの命が果て、多くの清き大地が失われた。
しかし、ついに二人は手を取り合い、冥府は天界より押し戻された。



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 ●登場人物紹介●     ●妖魔の能力紹介●


●「オル・ヴァンビディスと十二神」●
舞台背景などまとめましたので、
第14章以降のご参考にどうぞ!


第1章  いにしえの物語
導入部1 神々の時代2 狂った歯車3 暗躍する狂気


第2章 伝説の行く末
導入部1 立ち向かう強さ2 聖剣と十二神3 伝説の終焉


第3章 魔王降臨
導入部1 アレックス2 クーザー陥落3 騙しあい


第4章 無念の果てに
導入部1 少年2 血の匂い3 旅立ち再び


第5章 父と娘と刺客と罠
導入部1 知謀2 情熱3 執念


第6章 蘇らせるため
導入部1 女神の屈辱2 七十夜3 心満ちるまで4 少女の決意


第7章 開幕!覇王決定戦
導入部1 戦士集結2 選抜せよ!3 新しい力


第8章 激闘への序曲
導入部1 破竹の勢い2 愛の悲しみ、愛の悦び3 六十四人の激突!


第9章 迷う事なかれ
導入部1 鮮烈デビュー?2 技と力の練闘気3 上を向いて


第10章 覇王の誇り
導入部1 天族と魔族2 本命登場!3 紫龍


第11章 やまない雨
導入部1 祝福の雨2 涙雨3 赤い雨


第12章 契り
導入部1 畜生2 心の波3 命を捨てる覚悟4 無限


第13章 覇王誕生の夜に
導入部1 肉人形2 先へ3 小さな反乱


第14章 十二神の世界
導入部1 扉の向こう2 オル・ヴァンビディス3 疑念


第15章 煉獄
導入部1 冷たい風2 フュミレイとオルローヌ3 無の狂気


第16章 ファルシオンの守護者
導入部1 過ぎたる者2 ベル・エナ・レッシイ3 孤独な戦士


第17章 二人の戦神
導入部1 戦神セラ2 もう一人の戦神3 震える世界


第18章 それぞれの涙
導入部1 死の廃墟2 ある旅の終わり3 輪廻転生4 薄翅蜉蝣5 残されたもの


第19章 誰か
導入部1 ご褒美2 ソアラの辞書3 死に場所にて


第20章 奪還
導入部1 女神の涙2 竜の紋章3 脱出


第21章 楔
導入部1 彼の名はジェト2 暖かな森3 眠れぬ夜に


第22章 愛する人のために
導入部1 深淵へ2 あなたのそばに3 誇り高き死4 その瞳に映るもの


第23章 絶望
導入部1 悔恨2 不穏3 魂よ


第24章 乱心
導入部1 魂の爪痕2 静かすぎる夜に3 正しき道4 思い出の実


第25章 伝説の剣
導入部1 試練の洞窟2 鏡に映るもの3 託された命


第26章 覚醒の時
導入部1 超越した存在2 鳥と犬3 その背に勇気を4 畏怖


第27章 二つの流星
導入部1 ソアラの限界2 さらばバルカン3 七年の思い4 希望の息吹


第28章 鳥かごの中で
導入部1 そそり立つ黒2 夢3 もう一人の女神4 聖母


第29章 最後の砦
導入部1 愛2 動揺3 勇者と邪神4 バルカンの哄笑


第30章 魂の闘争
導入部1 黒い男2 抵抗3 妖精の罠4 世界の命運


第31章 竜と妖魔と
導入部1 壁2 完璧な戦士3 魂への干渉


第32章 終局へ
導入部1 さらば寡黙なる戦士2 限りを知らぬ者3 悠久の終わり4 二人を結ぶもの


第33章 降臨
導入部1 さらばアヌビス2 淡い初恋3 破滅の巨人と四人の勇者4 唯一の神


第34章 母なる世界とともに
導入部1 抵抗2 活路3 誇り4 指輪5 無限の絆


エピローグ


あとがき



「第3部後編、これまでのあらすじ」
ソアラたちとアヌビスとの戦いは、舞台をオル・ヴァンビディスへと移す。
そこはかつて世界を震撼させた究極の力「G」が眠る場所。
「G」は十二の神々によってその肉体をオル・ヴァンビディスに封じられた。
オル・ヴァンビディスは殺めた者の力が自らの者となる世界。
「G」の復活を阻止するためには、十二神をまもらなければならない。
しかしすでに、ムンゾ、ジェネリ、オルローヌ、セラ、四人の神々が命を奪われた。
しかもそれをしたのはアヌビスではない。神殺しはフェリルという名の女だった。

フェリルを倒すべく神々は一気に攻勢に出る。
しかし真の敵は神々自身の中にいた。
鳥神バルカンである。
バルカンはフェリルを殺めてさらにGへと近づいてしまう。

激しい戦いの連続で、百鬼とサザビー失い、ソアラは戦意を失ってしまう。
そんな母を支えるためにリュカとルディーはレイノラとの修行に向かう。
一方では海神オコンが、バルカンに抵抗するために裏切りを謀り、
残された神々の命を奪っていく。
さらにはアヌビスも絡んで混乱に拍車がかかるなか、
バルカンとオコン、復活したソアラが対峙。
しかしオコンとソアラはバルカンに全く歯が立たない。
だが窮地に登場したレイノラとリュカ、ルディーがバルカンを圧倒。
ついに倒されたバルカンだったが、死に際に進化を遂げての復活を予告した。
レイノラは復活前のバルカンを倒すべく、虚無を背にする場所、世界の果てへ。
しかし、すべてを消し去る虚無への耐性を得たバルカンの前に、
レイノラは敗れ、彼女は自らの力をフュミレイに託して散る。
一方ソアラは、オコン、レッシイ、バルバロッサとともに、
さらなる革新を目指して外での一日が七年に相当する場所で己を磨いていた。

その後、バルカンは残された神を仕留めるべく動く。
最初にターゲットにされたのはなんと邪神アヌビスだったが、
アヌビスはあえてリュカたちのもとへと動き、バルカンを誘導する。
妖精神エコリオットの世界で対峙する三人。そこにオコンが現れる。
奮闘するリュカ立ちだったが、リュカとオコンは虚無の檻にとらわれ
十二神のキュルイラとエコリオットもバルカンの前に死した。
一方そのころ、修行を終えたソアラはルディーの手で
ファルシオンの洞窟へと運ばれていた。
Gに抗える可能性のある剣・ファルシオンを手にするべく、
彼女はレッシイとともに洞窟の試練に挑んだ。
試練の中で、ソアラは古の竜の使いセティ、
父である黄泉の覇王・水虎らと戦い、新たなる力に目覚めていく。
そして最後の試練で彼女を待っていたのは、巨竜と化したレッシイだった。

戦いは終局へと向かう。
リュカたちの懸命の抵抗もむなしく、
最後の十二神オコンが散った。
一方、レッシイの意志を継いだソアラは、
試練を終えて竜の使いとして完全に覚醒した。
洞窟から出ると待っていたのはアヌビス。
彼はソアラに最後の決闘を申し込み、真の力をさらした。

アヌビスとの戦いに決着をつけたソアラは
互いを讃えながら宿敵との別れを迎える。
その後、理性を失いさまようバルカンと戦い、
勝利したソアラたちだったが、
その内側から現れたのは若き男。
男は大神バランを名乗り、一撃でオル・ヴァンビディスを消滅に追いやった。





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