4 バルカンの哄笑
ゴゥッ___!
夜明けのまだ少し薄暗い空に、花火が上がる。二つの輝きは禍々しい七色の残光を散らし、遠目にもバルカンの攻撃であると分かった。
「酷だ___」
ルディーはそれを横に感じながら、しかし前を向いて全力で低空を滑る。バルカンの目に止まらぬよう、膨大な魔力を必死に押し殺しながら、彼女はエコリオットの神殿を離れていた。
手には大ぶりの水晶玉を抱えている。それは七年の時を刻むアポリオ。彼女が向かっているのは世界の中心だった。
「あっ!」
巨大な力の放出を感じ、ルディーは思わず振り返ってしまった。離れた空に大きな翼の影が見えた。その影から放射状に放たれた輝きが、エコリオットのジャングルにスコールとなって降り注ぐのも見えた。
「くっ___」
バルカンの攻撃だ。リュカは劣勢なのだ。そう思うとルディーは止まらずにいられなかった。しかしすぐに首を横に振り、手にした水晶を一瞥して前を向いた。
今成すべき事のために限りなく冷徹でいること。心の師は確かそれを「氷の篭手」と呼んでいた。
ゴッ___!
決意を後押しするように、リュカの竜波動が空を駆け、それをなぞるようにアヌビスの邪輝が迸るのも見えた。それはリュカがアヌビスと手を組んで真っ向からバルカンに立ち向かっていることを、ルディーに教えてくれた。
「大丈夫___あたしはリュカを信じてる!」
声高に叫び、ルディーは意を決して世界の中心へと飛んだ。
『ちっ!』
優勢に立ったのはバルカンのはずだった。しかしルディーが迷っていた数秒の間に、形勢は逆転した。そうさせたのは威力を増した刃と、読めない攻撃だった。
『!?』
突如として自分の目の前に現れたリュカが、剣を振り下ろす。前触れも何もない。確かに剣を振り上げるのは見ていたが、まだ彼は離れた場所にいたはずだ。
ズグゥゥゥッ!!
刃はバルカンの額に沈み込む。金属質の皮膚を切り込んでいく。
ダンッ!!
しかし嘴に届くかという寸前に、バルカンは両の掌で刃を突き上げた。
『なに___!』
手応えが思いのほか軽かった。それもそのはず、リュカは右手を剣から放していた。勢い余ったバルカンは諸手をあげるような姿勢になり、リュカは勢いを借りた宙返りで頭を下にしていた。
「神竜掌!!」
腹に、輝ける右手を叩き込む。それはバルカンの背中に拳の形を浮き上がらせる威力だった。
『___おのれっ!!』
懐に潜り込んだリュカに、振り上げた両手の爪を叩き下ろす。
ザグッ___!
『ッ!』
しかしそこに待っていたのは無数の黒いナイフだった。リュカの姿は消え、天を射す漆黒の刃が宙に漂っていた。バルカンは自らナイフに手を叩きつけたのだ。
「だあああっ!!」
『!?』
そればかりでない。瞬時に真後ろに回ったリュカの剣に、翼を二つまとめて切り裂かれた。しかしバルカンは好機とばかりに嘴を歪める。全ての羽が瞬時に翼から放たれ、強靱な針となってリュカを襲った。
だが、リュカとの間に黒い雫が漂っているのを彼は見逃していた。
ズダダダダ!!
雫が一瞬にして宙に広がり、漆黒のマントとなって閃くと、羽のダーツからリュカを守った。そればかりか羽は瞬く間に漆黒に染められていく。
『おのれ___!』
バルカンの顔に苛立ちが覗いた。先程からバルカンを攻めているのはリュカだが、翻弄しているのはアヌビスだ。リュカが前触れも気配もなくバルカンに近づくカラクリ、それはアヌビスが時を止めて、リュカを動かすという単純なものだった。しかし、オルローヌの力で敵の心を読めるバルカンに対しては、極めて効果的な戦法だった。
「やあああ!」
いつの間にか真正面にリュカ。彼は剥き出しの感情で、剣を寝かせて突進する。
『く___』
露骨な意志。「心臓を貫くんだ!」というただそれだけ。
『ヌオオオ!』
対処はカウンターでその頭をたたき割ること。
______
切っ先と爪が触れ合う瞬間、時が止まる。アヌビスはリュカの体をバルカンの横へと動かし、切っ先を敵の脇へ触れさせる。ただその時、彼は紺色の小さな木の実のようなものを、剣と鳥神の間に差し込んでいた。
「これで良し。」
そしてアヌビスは離れる。
時が動き出す。
『グガァァッ!!?』
爪は空を切り、剣はバルカンの胸を左から右へと貫いた。アヌビスはその時、リュカの剣先を見ていた。紺色の木の実は消えていた。視線を外したのはほんの一瞬。だが僅かとはいえ、意識の矛先がずれていた。
『セサストーン!!』
それが反撃を許した。燃えさかる炎の森を基点に、紫色の三角柱が立ちのぼる。
「くっ___!」
リュカが呻く。黄金の輝きは瞬時に消し飛ぶ。
「ありゃ、しまった。」
アヌビスは舌を出す。だがその動きは少しぎこちない。ジェイローグの力をも封じた神の封印術は、それに匹敵する実力者を二人まとめて束縛した。先程の輝けるスコールの際に、バルカンは周到にセサストーンの基点を地に放っていたのだ。
ゴッ___!
「っ!」
リュカの顔面に鳥の掌が炸裂する。鼻から血を迸らせ、僅かに仰け反った彼の手から剣がすり抜けた。
『形勢逆転だな。』
赤紫の柱の中で、白いオーラに全身を強張らせるリュカとアヌビス。黄金の輝きも、邪輝の漆黒も、この中ではその片鱗すら現せない。唯一自由なのは術者であるバルカンだけだ。
『しかし驚いた。君たちがこれほどうまく連携するとは、思ったよりも馬が合うのではないか?』
「___冗談じゃない___」
セサストーンは声すらねじ曲げる。リュカは酷い喉風邪でもひいたような、掠れた声で答えた。
「俺はこいつの母親とならもっとうまくやれるぞ。」
「うるさい___!」
アヌビスの声は普通だった。セサストーンは彼も縛り付けているが、生来の自由人はリュカと違って顔をしかめさえしない。動けるわけではないが、束縛に身を任せることで平静を保っていた。
「アヌビスは僕の敵だ___それはこの先何が起こっても変わらない___!」
『そうか___なら私の中でもせいぜい争い続けたまえ。』
バルカンは胸を貫くリュカの剣の柄を取り、真っ直ぐに引き抜いていく。酸のような血を垂れ流しても、些細な苦しみも感じさせない。
「刃が___」
むしろ傷つけられていたのはリュカの剣だ。美しかった真っ直ぐな刃が零れている。刀身には茶色い血が錆のようにこびりつき、いまも刃を蝕んでいた。
『ジェイローグの爪で作られた剣も、私の血にすら勝てない。それが現実だ。だが私も決して様子見に興じていた訳ではない。念のためのセサストーンを使うことになったのだから、君たちが想像以上だったのは確かだ。これほどの力を手にできることを嬉しく思うよ。』
バルカンが剣で空を凪ぐ。その動作の間に、胸の傷は塞がってしまった。
『そして何よりも、君たちのおかげで私はより進化した。私を追いつめうる存在がなければ、進化の道は閉ざされる。君たちが強いおかげで、私は前へと進めた。手酷く傷つけてくれたおかげで、肉体はより完全なものへと近づいたのだ。ただ、君たちには感謝しているが、やはり進化と再生に投じた力は返してもらわねば。もっともそれくらいなら、君一人で十分にお釣りが来そうだがね。』
剣を振り上げ、バルカンはリュカに近づく。隠し立てのない殺気は、彼の本気を物語っている。リュカはどう対処したらいいか分からないでいたが、バルカンの胸に浮かんだ無限の模様を見せつけられると、気持ちを強く持てた。バルカンの胸に父の面影を見るのは不可解だったが。
『いい目だ。君のその心の強さも、我がものとなるのだな。』
バルカンはリュカの前へ立つ。リュカは瞬きもせずにバルカンを見つめ続けた。
「ふっふっふっ。」
そんな緊迫を掻き消したのは、アヌビスの不適な笑いだった。
「これから殺そうってやつ相手に良く喋るよ。やっぱり不安なんだな、おまえも。」
バルカンは振り向かない。しかし動きは止まった。
「何気ない言葉には本音が混ざる。俺が思うに、おまえは自分がGに辿り着けるかどうか、確固たる自信を得ていない。何かしら兆候があったのか?自分が自分でなくなるような感覚とか?だからリュカの強い心に惹かれたんだろ?」
『安い考察だ。その程度では、君はGを求める器でないな。』
「悪いが俺ははじめから自分がGの力を得ようとは思っていない。」
『なに___?』
「好きじゃないんだよ、そういうの。時を止める能力も疎ましいくらいだ。人から奪った能力だなんだと言われるのは正直あまり気の良いものじゃない。」
何気ない言葉に本音が混ざる。もしアヌビス自身がそうなら___リュカにとってそれは新鮮な驚きだった。
「私の中で争い続けろ___それが今のおまえなんだろ?リュカの力を奪えば、おまえはただ強くなるだけでなく、そいつの意志や精神まで奪い取ることになる。それがおまえの本質を狂わせるんだ。意志や精神の複雑化に耐えられるかどうか、それがGを支配するか、Gに支配されるかの分かれ目だ。違うか?」
『戯れ言だ。』
バルカンは物腰を崩さない。しかしこれまでより明らかに早い返答だった。アヌビスにはそれで十分だった。
「カルナヴァゴ。」
そして呟く。バルカンが振り向いた。
「おまえの中のオルローヌなら知ってるだろ?ロイ・ロジェン・アイアンリッチがGになるために使った秘術の名前だ。術自体はそんなに難しくない。問題は集まった力に対して進化する肉体と、奪い取った意志を吸収できる類い希なる精神力があるかどうかだ。」
『君は___』
「真似しようと思えば俺にもできる。でも好みじゃない。俺はむしろ俺自身の力で、この術が作った無様な化け物を倒す方が楽しそうだと思っている。」
全てを分かった顔でいるアヌビスに、バルカンは舌打ちした。そしてゆっくりと、矛先を変える。
『自惚れが過ぎるな。』
「おまえに俺が支配できるか?」
バルカンは不適に笑うアヌビスの前で、リュカの剣を振り上げる。
「待てバルカン___!」
それを制止しようと声を絞り出すリュカ。その時だった___
「え?」
『なに?』
「ちっ、早いぞ___」
赤紫の柱が消えたのだ。
『早いだと?』
「いけねっ。」
バルカンの剣が振り下ろされる。と同時に羽の一つ一つがざわめいた。案の定、剣は空を切っていたが___
「ぬぉっ!」
「うあっ!」
バルカンの後方でアヌビスが呻いた。翼のざわめきから放たれたのはフェリルのデュランダル。見えない刃は時を止めて動いたアヌビスの胸を切り裂き、リュカの腿にも深い裂傷を刻んだ。
「この___!」
まずは剣を取り返したい。束縛された鬱積も込めて、リュカは竜波動を放とうとバルカンに向けて手を突き出す。
ザク___
「!?」
その手首があらぬ方向へと折れた。見れば包丁を走らせたかのように手首の半ばまでが斬れている。骨すら断たれて、皮と僅かな筋肉で繋がっているだけだった。
「うぁああっ!?」
「動くな。」
動揺して僅かに後ずさったところで、首筋に痛みを感じた。うなじの辺りに薄い切れ目が走り、血が流れ出ていた。アヌビスの声がなければ自分で首を切り飛ばしていたことだろう。
「俺たちの周りに見えない刃の檻がある。」
「くっ___!」
『私の羽の一つ一つから小さなデュランダルを放ち、宙に留めた。切れ味は変わらないから気を付けたまえ。ああ、もちろんこの技の本来の使い方はこうではない。ご存じの通り___』
バルカンはあらぬ方角を向いて手を振り上げた。その先にあるのはエコリオットの神殿。
『遙か彼方まで飛ぶ超振動の刃だ。』
「やめろ___!」
バルカンが手を振り下ろしたのと、リュカが叫んだのはほぼ同時。そして___
ズオオオオッ!!
大地から大量の水が噴き上がったのもほぼ同時だった。
「これは!?」
超振動の刃が水に飲まれた。滝に落ちた枯れ葉のように、刃は激流の中で散り散りになって消え失せる。そればかりか水は戦場に覆い被さるように大きく広がると、三人の頭上から一気に降り注いだ。
(しょっぱい!)
唇に付いた水は塩っ気が強かった。つまりこれを放ったのは___
「もう大丈夫だ。見えない刃は全て流れ去った。」
海神オコン。かつてバルカンに粉砕された青い鎧に身を纏った海神は、降り注いだ水の中からリュカの前へと躍り出た。
「オコンさん!」
リュカは海神の名を呼んだ。しかし歓喜の声とはいかなかった。
「分かっている、バルカンの前に私が立つことの危険さは承知の上だ。しかし危険を冒さねば超えられぬ壁があるのも確かだ。」
オコンはアヌビスを一瞥する。黒犬は手を上げてニヤリと笑うだけだった。そしてオコンは再びバルカンを見据えた。
「三人で叩く、それが最良だ。」
一帯を流し尽くした水が大地から伸び上がる。それはリュカ一人を下から飲み込んだ。強い癒しの力が千切れかけの手首を繋ぎ止め、そればかりかバルカンから奪い取った剣まで届けてくれた。
『できるのか?私にはまだ余裕があるぞ。』
バルカンは嘲笑を浮かべる。先の戦いでは些細な侮辱に揺らいだオコンだったが、今回は違った。
「できる。万が一しくじったとしても、我々にはまだ最強の戦士が残っている。」
敢然と言い放つ姿は、確信に満ちていた。
『最強?』
バルカンは眉をひそめ、敵に残った駒を思い浮かべる。レイノラが死んだ今、敵で戦力になりうる駒といえば?
『___まさかとは思うが、私にいいように弄ばれたあの紫の女か?』
「そうだと言ったら笑うのか?」
バルカンはすでに薄笑いを浮かべていたが、オコンは真面目な顔で答えた。
『ハッハッハッ___!』
そして鳥神は哄笑する。遠くエコリオットの神殿まで届きそうな、良く通る声だった。
「笑われたよ。どう思う?リュカ、アヌビス?」
バルカンを後目にオコンはリュカとアヌビスを振り返った。
「お母さんならやるよ。アヌビスにだって勝ったんだから。」
「楽しみだ。さっさとこいつを片づけてソアラと勝負だな。」
二人の回答を聞くと、バルカンの笑い声は一層大きくなった。
「あれ?でもまだ一日経ってないよね。お母さんは?」
「アポリオの中だ。俺が出てきたのは、もう彼女の鍛錬相手としては役不足だったからだ。俺が神々から奪った罪深き力を、ようやく自分のものにできたというのにだぞ?まったく嫌になるよ。」
その言葉はリュカの背筋を震わせた。恐怖ではなく、母の強さを想像して興奮し、全身が疼いたのだ。それはアヌビスも同じ。よくきく鼻から漏れる息が、明らかに荒くなっていた。
「悔しいから、彼女の出番を奪ってやりたい。どうだ?」
「大賛成!」
「俺ははじめからそのつもりだ。」
未だに笑い続けるバルカンを前に、オコンは矛を、アヌビスは長刀を、リュカは剣を構えた。そこでようやく、バルカンも落ち着きを取り戻した。肩を揺すりながら、彼は長い息を付いた。
『いや、失礼。冗談かと思ったが、どうやら本気のようだな。』
そして、高らかな笑いは一気に冷笑へと変わった。
『興ざめだ。』
ドォォォォッ!!
「え!!?」
轟音は背後から響いた。驚いて後ろを振り返ったリュカは、我が目を疑った。爆炎にまみれたエコリオットの神殿が、巨木の真ん中で折れ、今まさにゆっくりと倒れようとしていた。
「そんな!どうして!?」
『どうしてもこうしてもない。』
前方から声がした。バルカンの声は後ろから聞こえないといけないのに、声は前から聞こえ、バルカン自身も前方の森から浮上してきた。
「え!?」
しかし気配は背後に残っている。振り向いてみても、バルカンはそこにいる。
「ふ、二人___!?」
理解しがたい光景だった。エコリオットの神殿が崩壊し、自分は二人のバルカンに挟まれている。幻覚ではない。後ろのバルカンの存在感も確かならば、新たに現れたバルカンの両手に漲る力の夥しさも確かだった。
『ズアアアアッ!!』
前方のバルカンが叫ぶ。全身の筋肉が盛り上がり、血を煮えたぎらせ、新たな鳥神は背後の森に向けて巨大なエネルギー波を放った。
「くっ!?」
波動にスピードはない。しかしその威力は凄まじく、大地に抉り込んで猛然と爆発し、一帯の全ての生命を消し飛ばしていく。熱風だけで肌を引き裂かれるようで、立ちのぼった爆炎は天高く伸び、明け方の空に蔓延る大気を一変させる。
「どういうことだ___?」
オコンは衝撃から身を守りながら呟いた。二人のバルカンを代わる代わる見ても、それ以上動く気配はない。
『絶望せよ。深き緑の大地に宣うものたち。』
立ちのぼる炎に手を翳し、新しいバルカンが囁く。その直後。
シンッ___
「!!?」
夥しい炎も、噴き上がる煙も、熱を帯びた大気の揺らぎも、そこにあった全てが消えた。変わりに現れたのは、地から天まで駆け上がるひたすらの黒い柱。それに触れた瞬間、何もかもが消え失せてしまった。
「虚無だ___!」
オコンが叫んだその時、二人のバルカンの指から光が走った。それはリュカたちのいる戦場を取り囲む円となって、大地に降り注いだ。
「まずい___!」
「えっ!?」
オコンはリュカに掌を向け、水流を放った。それは有無言わさずリュカを飲み込み、一気に円周の外へと導こうとするが___
「くっ!!」
一歩遅かった。円周に沿って漆黒の壁が立ちのぼると、オコンには水を引き戻すしか無かった。
「オコンさん!いったいなにが!?」
状況を飲み込めずにいるリュカは、水流から解放されるとすぐに問いかけた。
「虚無に囲まれた___」
「虚無___!?」
二人に見えるのは黒の内側の景色だけ。聞こえる音も、感じられる気配さえ、黒の内側にあるものだけ。外のことは立ちはだかる虚無に一切掻き消される。
それはレイノラを死に追いやった虚無の鳥籠。進化したバルカンの最も恐るべき能力。その坩堝に、リュカたちは飲み込まれてしまった。
そればかりか___
『もう少し遊ぶつもりでいたが、底が知れてしまったのでな___』
『私が最も欲しかった獲物、オコンも現れてくれたことだし___』
『終わりにしようと思う。』
籠の中で、鳥神は三人になっていた。
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