あとがき

 第3部を書き始めてからかれこれ___何年だろう?第2部の完成が2002になっているから、8年目ということだろうか。8年かぁ___8年!?長っ!そんなに書いていたのか!どう考えても長すぎだ。小学校1年生が中2だぞ、中2!
 なんというか、書き通したという達成感もあるのだけど、もっとコンパクトにできなかったのかという反省の方が先に立っていたりして、8年の時間を費やしたにしては妙に落ち着いていたりします。
 実は、私はとある業界誌の記者兼編集者をしています。社員4名の超小規模会社で、本屋ではお目にかかれない本を作っているのですよ。で、そこで書くものといえば、現実の事柄について事実を正確に分かりやすく伝える文章ですので、はっきりいって動きのある描写なんてものは皆無です。もちろん内容に制約もあります。仕事でそういうものばかり書いているので、かえって好き勝手にできる小説を書くのが楽しくって、ここまで続いたんだろうなぁと思っています。

 さて、内容を振り返ってみると、第2部までに比べて正直ちょっとまとまりを欠いたかな、という印象ですね。舞台がオル・ヴァンビディスに移ってからはまあ満足してるんですが、そこに行くまでが如何せん長すぎました。なかでも黄泉にエピソードを盛り込みすぎたのが大いに反省です。
 ただ、書くのに苦労したのはオル・ヴァンビディス以降かもしれません。とくにバルカンとバランに関して、敵の強さを強調しつつ、間抜けじゃない形での突破口を作るというのはかなり難しかったです。バランがはじめから全力でソアラたちを倒していれば済むこと、というのが頭の片隅にありましたので、そうさせないための展開やらなにやらを考えるのはやはり難しい。結果的に「あえていたぶるように追いつめる」という楽な手段を何度か使ってしまったので、うまくできたとは言い難いですね。
 戦闘シーンは多々ありましたが、もう終盤はお互いが強くなりすぎて、大味にならざるをえない。その辺もなんだかなぁ、と思いながら書いてました。戦い自体は第1〜2部の方が書いていて楽しかったですね。ま、私はこういった感じの漫画チックな小説しか書けませんので、次に何か書くとしても似たような雰囲気になるだろうとは思いますが、戦闘があるとしたらなるべく地に足をつけた戦いにしておきたいです。
 あと要所で無駄なエロを盛り込みすぎました。これも反省。

 逆に我ながらよくやったと思ったのは、思いつきでのストーリー変更です。ある程度構想は考えつつも、結局別の方向に向かっていったり、構想にもなかったキャラクターが登場したり、それだけしっちゃかめっちゃかにしておきながら、予定通りのゴールを迎えられたのは満足しています。
 ハッキリ言います。最後の敵も思いつきです。構想ではバルカンの予定でした。でもなんだか裏付けに欠ける気がして、大神様に登場して頂きました。そしたら、後編の冒頭に書いていたジェイローグとレイノラの過去も見方が変わりますが、全て大神様の計画としたらそれはそれで成り立った、というわけです。あぁ綱渡り。ムンゾの扱いについても同様です。こんな行き当たりばったりなやり方で、なんとかここまで辿り着けたことには、素直に良かったと思っています。

 まあなにはともあれ、こんな長ったらしい小説を読んで頂いた皆様に、改めまして深く深くお礼申し上げます。仕事のガス抜きのために小説は書き続けますんで、また気が向いたら丸太坊の住処を覗いてみてください。ありがとうございました!

 −丸太坊 2010年4月−