第7章 衝撃来襲
ジャルコがソアラを仕留めたという報告を受けてからというもの、アヌビスは浮かない日々を過ごしていた。ソアラのいるいないで、彼の日々が何か変わるというものではないが、それでも一つの興味が消えてしまったのは失意に等しかった。
「アヌビス様。」
いつものように暗闇からダ・ギュールが姿を現した。
「なんだ?」
アヌビスは冴えない顔で問い返す。ソアラを失ってからというもの、退屈な顔が目立つ。
「ソアラと行動を共にしてきた者たちはいかが致しましょう。竜神帝を追いかけているようではありますが___」
アヌビスは頬杖を突き、憮然として虚空を見つめた。
「殺してもいいんじゃないか?竜の使いじゃなけりゃ、足しにならん。」
中途半端なのが一番つまらない。竜神帝を追いかけている人間など本来は気にも掛からないが、ただの人間ではなくソアラの仲間だというところが邪魔に感じた。
「ではモンスターに集中的に狙わせましょう。」
「いや、八柱神にしろ。消すのなら一気に消した方が気分がいい。」
指令が下った。初めてアヌビスから抹殺の命を受け、八柱神が動く。
「畏まりました。」
ダ・ギュールはアヌビスに畏敬の念を示し、再び闇の中へと消える。
「ふぅ___」
残されたアヌビスは退屈そうに溜息を付いていた。
前へ / 次へ