第1章 新たなる旅立ち
その日の景色は、微睡みながらも彼の思考を支配し、頭中に蠢いていた。全てを長い夢だと勘違いさせるほど、彼の眠りは深く、その夢は長かった。ただ、これまでの旅を客観的に眺めるだけ。それでもやはり、アレックスとソアラの死を知れば涙がこみ上げ、超龍神を見ると震えが走った。
夢は何度と無く繰り返す。全ては変わらない運命だと言い聞かせるように。そればかりか、復活した超龍神が世界を混沌に変えていくビジョンさえ見えてくる。この苦しい夢から逃れるのは容易ではなかった。夢から逃れるのにきっかけが必要だと知ったのはこれがはじめてのこと___もう目覚めたい!その気持ちが最大限に強くなった瞬間、彼に漸く鮮明な視界が戻った。
「___あ。」
深い緑の匂いが鼻から脳へと駆けめぐる。鮮やかな緑の狭間からは照りつける日が射し込んだ。
「ここは___」
体はすぐには動いてくれなかった。とにかくここが深い森の中であるということは分かった。自分は木の根元に身を横たえ、身体の上には黒いマントが被さっていた。
「どこだ___?」
漸く身体に血が巡っていく。
森の中で目覚めたライは、肘を張って身体を起こした。
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