一汁三菜
アワカバニャの朝食は、シリアルと日替わりのパンと果物で、セルフサービスです。
出先で食べる昼食のサンドイッチは、朝食時に自分で作っておきます。
夕食は、10人テーブルで、スタッフがお誕生日席に座り、皿につぎわけてくれます。
座った席によって、運び係り(ホッパー)やお茶係りが決まり、配膳を手伝います。
メキシコ料理あり、イギリス料理ありでした。
意外なことに、どれもかなり美味しく、毎日おかわりしました。
メキシコ料理は、現地のレストランで食べるよりよっぽど親しみやすかったし、
西洋料理の塩かげんは、日本と同じでした。
厨房には、調理師が5人くらいいましたが、英語が理解できないので、
感謝の気持ちをうまく伝えることができず、残念でした。
自分の皿についでもらう番が来ると、「どれをどれくらい?」とスタッフに聞かれます。
日本人なら、どれも少しずつよそってもらって味見をしてから
おかわりを頼むのが普通だと思います。
ところがアメリカ人は、好きなものだけを大量に食べます。
太った人は、ステーキ3枚とか山のように食べますが、
痩せた人は、ほんのひとにぎりしか食べません。
みんな過食か拒食の両極端で、私たち日本人は、本気で呆れてしまいました。
「私たちは世界の難民のために何もできないけど、
『お皿に何も残さない』という約束をしてください。」
と、始めに言われたのに、一口食べて気に入らないと、
肉や野菜をお皿に残し放題です。
私たちはホテルのバイキングや立食パーティーで
「取り皿に乗せた物は絶対に食べること」と思っていましたが、
それはアメリカ人のルールではないようです。
どれも少しづつ食べ、腹八分目でごちそうさまする、てのは、
きっと日本が誇れる食生活です。だからこそ世界一長寿国なのです。
彼らが懐石料理を食べて満足するわけがありません。
海外のレストランで、フルコース1人前注文するのは無謀だと知っていましたが、
8日間彼らとともに食事して、その異常性を目の当たりにしました。
あれでは地球が温暖化するわけです。
きっと欧米人からすると、私たちが異常な部分もあったでしょう。
私たち江戸娘は、いつも別々に座っていて、英語も良くわからないので、
みんなひとり黙って食事していました。
「どうして楽しく食べれないの?」と思われていたかもしれません。
わいわい話しながら、長い時間かけて食事するのは、案外むずかしいことなのです。
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