クエルナバカ

  




メキシコシティーに2泊し、3日目はいよいよ、
南へ50kmのクエルナバカ市へ向かいました。

ノラが用意してくれたバスには、
ペルーからとサンフランシスコからの一行も乗り込みました。
バスの中では、いきなり各国歌合戦になりました。
やっぱガールスカウトのバスレクは、世界共通のお手前です。
言葉は通じなくても、自己紹介しなくても、仲間意識が芽生えました。
窓から見える郊外の街並は、サボテンが荒野に植わっていたり、
馬や牛が放牧されていました。空はどこまでも青く、のどかな風景でした。

クエルナバカ市は、日本ならさしずめ伊豆といったところでしょうか。
別荘が建ち並ぶリゾート地です。
メキシコシティーは標高2200mですが、クエルナバカ市は標高1500mです。
たった700mの違いですが、空気が濃く、潤っていました。
1年中静かで温暖で、「常春の地」と言われています。

そのはずれにあるワールドセンターアワカバニャが、私たちの滞在地です。
アワカバニャでは、スタッフが待ち構えて歓迎してくれました。
ああ、もうこの人達がいるから安心、とほっとしました。
土地内は花が咲き乱れ、青々とした芝生が整備されていしました。
プールがあり、コテージが点在し、本当に美しいところでした。
まるで、亀に乗って龍宮城に着いたような気分でした。

スタッフに連れられ、センター内を案内してもらったあと、
ひとりずつがそれぞれの部屋に散りました。
スカウトは4パトロール。リーダーは2パトロールに分かれました。

事前に「別々の部屋にする?2部屋くらいに分ける?同じ部屋にする?」
と打診がありました。
熟考の末、全員バラバラにしました。
私も孤独で寂しかったので、スカウト達も心細かったでしょう。
行ってみると、固まっている国の子もいて、団キャンプ気分です。
きゃーきゃー仲良しで楽しそうにしているのを見ると、うらやましくなりました。
でもそれも、共通語の英語だから許されるのであって、
やはり解読不明な日本語で同じことをしたら、排他的でしょう。

せっかくここまで来たのだから、孤独を乗り越えて踏み出して欲しい。
そう思ったのですが、それで良かったのでしょうかね?
自由時間に誰とも話さず、
ひとりベッドで本を読んだりしていたこともあった私たちです。


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