メスティーソ
飛行機から見下ろしたメキシコシティーは、パイケーキのようでした。
阿蘇のカルデラのように、まわりがぐるっと高くなっています。
高度2600mの高地に、どうしてこんな都市が存在するのでしょうか??
不思議なところです。
高地のほうが神に近いと信じられ、人々は上へ上へと移動したようです。
紀元前1000年くらいから、ここには高度な文明が発達していました。
コロンブス以来、スペインに征服されたのですが、
驚いたことに、メキシコ人って、原住民なんですよ。
インディアンもアポリジニーもアイヌ人も、迫害され、追いやられているのに、
メスティーソは、今でもちゃあんと1億人の国を作っています。
メキシコ人は、欧米人とは全然違って、浅黒くて毛深くて、原住民そのものです。
どうして原住民は、ここでは生き延びたのか??とメキシコ人に聞きました。
「成熟した街がすでにあり、スペイン人が駆逐できる人口ではなかった。
インディアンは移動民族だったが、メスティーソは定住民族だったので、
追いやることができなかった。」とのこと。
今ではすっかりスペイン人と混血して、白人は10%程度しかいないようです。
メキシコシティーの太陽は明るくて、空は深い青です。
たぶんオゾン層が破壊されて、大気圏まで続く青なのでしょう。
当然、日本とは全く色彩感覚が違ってきます。
タテモノもオブジェも原色しかありません。カラフルな街でした。
微妙な色あいとか、わびもさびもありません。
あんなとこで生活していたら、ラテンな人間になるわけです。
人々は常にぶらぶらし、にやにやしていました。
彼らが日本にやってきたら、人々の無表情や歩く早さに絶句するでしょう。
そんな彼らも、車に乗ると豹変するので、恐怖でした。
メキシコは車社会で、車優先です。
2車線以上の広い道路でも、道路に線がありません。
そこをバカみたいに飛ばして、抜きつ抜かれつ、24時間がカーチェイスです。
ウインカーを出さないで割り込みするし、2重3重の違法駐車もあたりまえ。
飲酒運転にも寛大です。
クラクションもうるさいし、排気ガスもすごくて、頭が痛くなります。
ガソリンがリッター¥60なので、省エネ運転とかの認識がありません。
たまに信号で止まると速攻、地図売りや飲料水売りが運転席のところへやってきます。
あれは危ない。人身事故のもとです。日本では考えられません。
日本に帰ってから運転して、改めて日本の平和な道路事情に感謝しますが、
駅の改札の風景には、殺気をかんじます。
せまい日本、そんなに急いでどこへ行く??のんびり歩こうよ。
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