アンコールワットへの道
昔、「進ぬ!電波少年」で、
アンコールワットへの道を舗装する企画が
あったそうですね。
私は見ていませんが、なるほど、
それで日本人には、メジャーなのかもしれません。
この番組の功績は、大きいですぞよ。
実際、カンボジアのインフラ整備は、
日本が担っています。
ケイスケホンダのサッカー支援もあり、
カンボジア人は、日本をリスペクトしています。
ただし、アニメは、たいして人気ではありません。
カンボジアの若者に、
漫画を読む余裕など、まだありません。
国道は舗装されていますが、ガタガタ道です。
炎天下のうえ、雨期と乾期があるので、
1度の舗装では、地盤はすぐに、
ボコボコになってしまうのでしょう。
舗装されていても、
ガードレールや中央分離帯は、ありません。
トラクターが大きな荷物を引っ張って走っていて、
バイクやらベンツやらが道いっぱいにふくらんで、
それを追い越し、混沌としています。
バイクには、免許制度はありません。
小学生でも乗れます。
そのため、突然飛び出して来るバイクが、
事故を招きます。
毎日、交通事故を目にし、
人が血を流して倒れているのも見ました。
交通事故を起こしても、救急車は来ません。
自動車保険もありません。
状況がどうあれ、車が100%過失を負うルールです。
死んでしまった場合、
30万円、見舞金を支払うそうです。
正義のない大虐殺があった国で、
命の値段が30万円というのは、
正常な方向へ国が向かっている、という証でしょう。
国道をそれると、土の道です。
雨期になって、この土の道にスコールが降ったとしたら、
すぐにぬかるんでしまいます。
100m進むのにも、難儀するでしょう。
それがやはり、乾期にしか観光できない、
ということなんじゃないでしょうかね?
観光3日目に、
120キロ先のコーケー遺跡まで行きました。
ハラハラドキドキドスンドスンのドライブでした。
道なき道は、そのへんに置いてある
バイクに乗り換えます。
モンゴル旅行で学びましたが、
100キロも先の遺跡を見るのだけが、
目的ではありません。
その道中が、現地の生活を見せてくれます。
民家のほとんどは、高床式住宅です。
絶対に地震が来ないので、震災基準などありません。
雨風しのげる小屋を建てれば、それが家です。
人々は辻辻で語り合い、
庭先でお茶を飲んでいます。
学校は半日2部制です。
少年少女は、自転車で楽しそうに行き来します。
人々は、どこまでも続く畑と水田で、
牛とともに労働しています。
牛は、酪農や畜産ではありません。家族です。
牛飼いなどいなくても、きちんと家に帰って来るそうです。
鶏は、卵を産ませるために飼っています。
鶏も、犬も、猫も、放し飼いで仲良しです。
人はハンモックでお昼寝です。
そうです、それでいいんです。
その生活こそが、
世界遺産に認定されて欲しいくらいです。
私が見たかったアジアが、
カンボジアの郊外にありました。
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