観光都市
カンボジアの首都は、プノンペンです。
ANAの直行便が出ていて、成田から6時間です。
アンコールワットがあるシェムリアップへは、
さらに320km。国内線に乗り換えます。
アジアの飛行機は、遅れることが多々あるので、
ぎりぎりのトランジットは敬遠して、
プノンペンで4時間待ちました。
結局、成田から11時間以上かかってしまいました。
シェムリアップは、英語は通じませんし、
公共交通機関もありません。
きっとうちら日本人マダムは、
ツクツクに追いかけ回されることになります。
だから、いつものK氏に、
お抱えガイドと運転手の手配をお願いしておきました。
現地の中間会社にぼられますが、
地雷や事故の可能性もあるので、
会社がはっきりしていなきゃいけません。
シェムリアップ空港でうちらを迎えてくれた
ガイドのS君は、期待通りのナイスガイでした。
カンボジアでは、観光ガイドは免許制です。
ガイド学校と日本語学校を修了して、
ガイド国家試験に合格した者だけが、
観光ガイドになることができます。
そして、免許のない人は、ガイドをすることは出来ません。
どこの国から来た観光客で、
このカンボジア人は、認定ガイド、と、
各ゲートで公務員が毎回、IDをチェックします。
シェムリアップに年間200万人の観光客が来ます。
シェムリアップの日本語ガイドは、5000人います。
彼らは、シェムリアップでしか、ガイドを出来ません。
ガイドは、認定ポロシャツを着ているので、
S君が歩くと、いろんな人が問いかけてきます。
うちらのガイドですが、みんなのガイドでもあるわけです。
ガイドは、うちらと一緒に食事をしません。
入口のガイド用のテーブルに座って、
うちらのことをいつも見守ってくれています。
アンコール遺跡の入場料は、
3日で7000円ですが、カンボジア人は、無料です。
カンボジアは、観光客がぼったくりにあう、
ということはありません。
観光客から、妥当な外貨を徴収します。
ガイドは、買い物の値段の交渉をしてくれません。
というか、買い物自体、寄付金なので、
値切る必要はありません。
より多くの外貨を落とすことが、観光客の義務です。
現地人に人気のレストラン、
とかも連れて行ってくれません。
外国人観光客用の、大型バスが横付けできるような、
ドライブインみたいな店しか、行きませんでした。
専用ガイドは、話が豊富で、
何を聞いても正確に答えてくれます。
インスタ映えするポイントに来ると、
「ここで写真を撮りましょう」と教えてくれ、
写真を撮ってくれます。
そして、「うん、良い笑顔です。」とか褒めてくれ、
おばさんに勇気を与えてくれます。
少し時間が余ると、エステに連れていってくれます。
私たちの食事や観光のスピードに合わせてくれるので、
まことに効率よく、時間を使うことができます。
私たちは、ごくごく普通の日本人です。
S君は、シェムリアップの日本人担当ガイドですから、
私たちが何を見たいか、何を食べたいか、はもとより、
この道を曲がったら、
私たちがどういうリアクションをするか、
ということも、分かっていたでしょう。
だから、冒険や失敗が皆無でした。
S君は、今頃はもう、
私たちのことを忘れてしまったでしょう。
うちらのいつもの珍道中を思うと、
それはそれで、ちょっともの足りない旅でした。
NEXT→