ポルポトの国 

    
 
 


 カンボジアは、ここ50年、
 ニュースでちょいちょい耳にしていた、
 あの「ポルポト」の国でした。
 「カンボジア難民」という言葉も知っていましたが、
 たいして関心はありませんでした。

 カンボジアでは、ポルポト政権下、
 人口800万人のうち、300万人が殺された、
 という信じられないことが起こっていたようです。
 日本がバブルに浮かれていた頃です。

 共産党の、「知識階級は悪だ!」
 「子どもはまだ悪に染まっていない。」
 という思想のもと、子どもが大人を殺害した、
 という、耳を覆いたくなるような話です。

 この事実は、「キリングフィールド」という映画で、
 暴露されたようですが、
 私はこの手の話は、
 吐き気がするので、見ていません。

 いや、いじめといっしょで、
 見て見ぬ振りが、1番悪いのは分かっています。
 でも、みざるきかざるいわざるは、
 人間の生きる術でしょう。

 1992年に、国連の明石さんの主導で、
 民主選挙が実施されました。
 あれから27年。
 まだまだ民主主義とは言えませんが、
 私が行ったカンボジアは、
 平和な国になっていました。

 今、カンボジアの人口は、1500万人に増え、
 平均年齢は、25歳です。
 30年前に、ほとんどの大人は、亡くなってしまいました。
 カンボジアには医者はおろか、
 教育者もいなくなってしまったので、
 若者たちは、無知のまま、必死で生きています。

 ブルジョアと知識人がいなくなったこの国で、
 まず1歩リードしたのは、公務員です。
 公務員へのワイロが、横行しています。
 人はまた、特権階級を作ってしまうのです。

 民間人は、こつこつと働いていますが、
 公務員はいつも、数人でたむろしていて、
 話しながら、だらだらと仕事をしています。

 他の人々の80%は、農業に従事しています。
 その農業は、牛が畑を耕す農業です。
 地雷のためか、家畜以外の動物は、全く居ません。

 数年後には、ベトナム同様、この国も、
 金儲けに血まなこになるんでしょうか?
 国民にとって、豊かな暮らしは必要ですが、
 お金ではない方向に発展できないものですかね?

 テレビより先に、スマホを手に入れる時代です。
 たっぷり情報を手に入れて、自学し、
 幸せに暮らせる国になって欲しいです。
 

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