食物栄養総合ゼミでは、食物栄養科ならびに人文学部の学生13名で、キウイフルーツに関するいろいろな実験を行いました。 具体的には、糖度の測定アクチニジン活性の測定果実中のシュウ酸カルシウム結晶の顕微鏡観察種々の品種の食味比較クロロフィル等の色素の分析などを行いました。 最後に、‘ヘイワード’種果実の追熟に伴うアクチニジン含量ならびにプロテアーゼ活性の変化について調査を行い、その結果を以下にまとめました。

実験方法

 採取した‘ヘイワード’果実を、リンゴと共にポリ袋に入れ、18℃で追熟させた。 キウイフルーツ果実10個につき、リンゴは1個とした。 採取当日、追熟7日目、追熟14日目にそれぞれの果実の果実硬度を測定した後、果汁を調製し、その糖度(BRIX値)、pH、アクチニジン濃度ならびにプロテアーゼ活性を測定した。 アクチニジン濃度は SDS-PAGE法により、またプロテアーゼ活性は人工基質を用いて測定した。 1回の実験には4個の果実を用い、その平均値をグラフに示した。


 
 
 
 追熟に伴い、果実硬度は顕著に減少した。 一方、BRIX値は顕著に増加した。 最初の7日間の変化が特に大きく、追熟7〜14日目には可食段階にあることがわかった。
 果汁のpHはいくぶん増加したが、これはクエン酸やキナ酸などの有機酸が減少したことを示すものと考えられる。


 
 電気泳動の結果(左上)より、追熟に伴ってアクチニジン濃度が増加することが示された。 デンシトメトリーによりアクチニジン濃度を定量した結果を右上に示した。 果汁中のアクチニジン濃度は、追熟2週間で2倍弱まで増加することがわかった。 これまでに、追熟に伴い‘アボット果実のプロテアーゼ活性が増加するとの報告はあったが、アクチニジン自体の量が増加することを、直接に証明したのは、これが初めてだと思われる。

 
 左図の結果より、果汁のプロテアーゼ活性も、追熟に伴い増加することがわかった。 追熟2週間で2倍強まで増加した。
 アクチニジン濃度の増加が2倍弱であるのに対し、プロテアーゼ活性の増加が2倍強になる理由としては、 1) 単なる誤差、 2) キウイフルーツ果汁にはアクチニジン以外のプロテアーゼが含まれる、 3)アクチニジンのアイソフォーム(アイソザイム)の構成比率が変化している、 4) 果実に含まれるアクチニジンの阻害物質あるいは活性化物質の量が、追熟に伴い変化している・・・・・等の様々な可能性が考えられる。

 ごく最近(2004年)、キウイフルーツの果肉や種には、アクチニジン活性を阻害するシスタチンが含まれるとの報告がなされた。 プロテアーゼ活性とアクチニジン濃度とがパラレルな関係にあるとは限らないことに注意すべきであろう。